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2008年6月16日 (月)

未来6月号

『未来』6月号が届きました。

今月は、特選でした。

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有機野菜のポトフに塩を足すように保護者会総会がはじまる

愛されていないと呟く母の手でみるみる剥かれてゆく晩白柚(ルビ:ばんぺいゆ)

少しずつお皿を割ってゆく母を「おかあさん」と指すひとさしゆび

失った空のパズルの一片は大丈夫この部屋にあるから

ももいろの湯船に浸すてのひらの小さな池は透んでみえるね

飛べなくなった燕が一羽いるだけで下校時間は美しくなる

おかあさんの夢をみたのと目に砂が入ったように言う女の子

字足らずなあなたと過ごす字余りな時間が好きで定型にいる

あの山が霞んでみえてあの山の名前を探すふるさとの地図

春先に黄色い雨が降ることを子らと一緒に覚えて暮らす

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それと、黒瀬からんさん、2年間、時評執筆おつかれさまでした。

以下、最終回から引用です。

>だから僕は語ろう。

>権威ある数多の賞に輝く歌人の貴方も、

>日記の末尾になんとなく初めての一首を残した貴方も、

>第一歌集の出版に野望を燃やす貴方も、

>一人残らず「短歌」のフィールドに点在する

>個別かつ均等な媒体に過ぎず、

>誰もが特権化されることはありえない。

>短歌はその本質として

>「大衆」を通過する河であり、

>「短歌の大衆化」などという矛盾と欺瞞に満ちた言葉が

存在しうるはずもない。

(『未来』6月号 黒瀬珂瀾・時評「最後の挨拶」より特に感動した部分を抜粋)

からんさんの時評を読めなくなるのが寂しい。

率直な、愛のある、そして、なにより公平な、明晰な時評だった。

結社の内外で、ファンが多かったはずだ。

からんさん、おつかれさまでした。

『現代詩手帖』の連載もがんばってください。

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