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2007年1月 2日 (火)

未来賞受賞作

12月27日、祖母が急逝したもので、新年のご挨拶ができずに申し訳ありません。

年賀状を頂いた方、ありがとうございました。

以下、昨日ご報告した未来賞の受賞作です。

感想など聞かせてください。よろしくおねがいします。

***

木箱の記憶

国道の黄色いラインにうつ伏せて風のやむのを待つ揚羽蝶

一度殺されたわたしが起きあがるふくらみかけた胸を痛めて

ふわふわの産毛の生えたこころまでおんなのこだということを知る 

硬すぎる林檎は木箱に戻されるナイフの傷に気が付かぬまま

止められた時計が胸に揺れているプール開きの歓声のなか

白いシーツに眠るわたしは暗闇のように誰かを眠らせている

吾として座る少女は給食のミートソースに名前を探す

ばらばらに沈んでいったわたくしの欠片は母のにおいがします

遠浅の海で拾った貝殻を耳にあてれば昨日の悲鳴

背中から感じる君はわたしより鏡のなかのわたしを見ている

君のいう愛は私の愛だからコンビニで買う赤い口紅

みたされて眠るあなたの首すじに触れようとする影が鋭い

シーソーがかたんと鳴ったまた君の愛を疑うように口づけ

夏にあけたピアスホールが塞がって君に逢えなくても生きている

陽を浴びてうつむくことのたくましさ向日葵はただ立っているのだ

ビー玉に閉じ込められた青い羽透かしてみたら息をしている

秋風は透明な矢印わたくしは生まれるたびに流されてきた

燃え尽きた火薬を落とすうすべにの紙縒りにのこる夏のやさしさ

誰もいない花壇で歌う誰もいない花壇の歌は誰かのために

病室の窓に降りこむ夕立のあたたかければ指をひろげる

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